今コロナ禍で世界経済のダメージが大きく、ダイカスト業界も大変な時を迎えています。
前にも書いていますが、電気自動車に代わるとダイカスト製品の減少に繋がり日本のダイカスト工場の1/3は仕事がなくなる事になります(1/3はオーバーな言い方ではないと感じています)。

この不況の中でも自動車部品を扱っていないダイカスト工場がありますが、今回のコロナ禍の中での影響はなく普段道理の生産が続いているようです。

自動車の生産が落ちると、受注が減り休日が増える事を肌で感じているいると思います。眉唾物かもしれませんが!カルフォルニア州で2035年までに電気自動車に移行する話が出ています。年々非ガソリン車の比率を上げている事も事実です。

 何故こんな話をするのか!
ダイカスト生産数は確実に減少方向に向かっています、電気自動車時代になれば今回のコロナ禍で味わっている状態が日常的な生産数になるのです。
海外は安価で低品質・国内は高価で高品質に向かわざるを得ません、国内の競争に勝ち抜くためにもスキルアップが求められます。

「ダイカストに挑戦」は技術的な内容を文章で表しているために理解しがたいものになっている事は否めません、また閲覧者の多くは 自分が担当している部分の内容しか読んでいない人が多くおられることも事実です。

大変難しいことかもしれませんが、全部を読破して理解してもらいたいと願っています。

ここに書いている「ダイカストに挑戦」はその中の一部の事しか書いていません、ダイカストは幅広く奥も深く個人で追求する難しさは計りしれないものがあります。

不良問題を追及するにも、ダイカストを理解していないと問題の根源を見つける事は出来ません。
「全てが複雑に絡みあっているために、各部門の変化も把握しないと問題の根源を見つけ出すことはできません。

 技術馬鹿になっても困るわけですが?
私の研究は「縮み代」です、この縮み代を考えるために追求してきたことが「ダイカストに挑戦」のブログの内容になっています。
縮み代を研究する上で参考になる資料を見つける事が出来ませんでした、見つけたとしても、肉厚3㎜は・肉厚4㎜は幾らの縮み代程度のものです。

「真熱」と言う概念
この「真熱」と言う意味を説明する難しさがあります、「平均温度」の言葉では説明できない熱なのです。
「金型温度は計る場所で温度は異なります」
「計る時間でも温度は異なります」
「各場所の金型温度が同じように変化はしていません」
「これらの事で製品取り出し温度も変化しています」
温度は絶えず変化し続けている!!!!!
これらの意味を理解してもらうために「真熱」の言葉で説明しています。

どうして「真熱」の言葉にたどり着いたのか!
私は 製品測定が本職です、試作品の測定・量産品の測定・加工品の測定を経験して、製品寸法のバラつきを追求したことでたどり着いたことですが、その内容は単純なことではありません。

真夏と真冬では大きく温度が異なります、しかし温度変化では起きない寸法変化を追求していくと金型の出来(型構成・各部のクリアランスなど)更に鋳造機くせ(タイバーのバランス・プラテンの平面度や平行度など)、作業者の技量など多岐にわたります、ここに難しがあります。

製品測定はどこの現場では行われていますが、測定内容を今一歩踏み込んで測定データを読み解く力が不足しているように思われます。
現在は温度測定器機も増えてきていますが、バラつきや温度を読み切れるものがまだ進化の途中と感じています。

温度を見る
温度を見て判断できる内容には「まだまだ」完成されていないと感じています。
「充実した測定器機が完成されていない」
「どこを何か所測定すれば、真熱を少しでも見れるようになるか?」

「真熱」と言う概念を理解する事がまず一歩ですが、どこをなんか所測定するか?また測定した温度をどう理解するかの技術は確立されていません。
私は「真熱」の言葉を一歩踏み出しただけ、ぼんやりとした道を示しただけなのです、次の一歩は皆さんに歩んでいただきたくて「ダイカストに挑戦」を書いています。

測定場所・測定器(安価でないと多点測定は進まないかなと思っていますが)測定した温度を読み解く力が大切です。
(ここにAIの力を借りる必要があると思います)

見分ける難しさ
私が測定を始めたころは、取り出しロボットもない時代でしたので鋳造直後の製品取り出し温度が測定できました。
現在はロボットで取り出し・プレスしてシューターを滑り落ちてきます、製品温度を測定しても正確な温度は分からないのが現状です。

現在はCAD/CAMそしてCADデータを元に三次元測定器で自動測定の時代に入り人の力を借りずに物事が進む世界になっています、このため人が問題解決に口出しできない現状になってきています。
いや、コンピュータ化で物事は解決できると多くの人は思っている事でしょうが・・・ブログ「ダイカストに挑戦」の内容を見ていただければ沢山の条件がある事に気づかれると思います。
しかし、これもホンの一部でしかありません。

40年か50年前の話ですが
私がスキ・スカシを実践し始めたころです、あるメーカーさんがPL面上の膨張をコンピュータで計算して膨張分を取る特許を出された話を聞きました、その時 これからPL面の膨張を取るのが当たり前になる時代が来ると思っていましたが未だ出来ていません。
理由は簡単です、温度が絶えず変化している事で正確な膨張分を取ることが出来ない、鋳造機の癖が有るので計算道理の膨張にならない、作業者の考え方で条件が変化しているなど条件が複雑すぎます。

これら 複雑な条件にあえて挑戦していただきたいと願っています、CAD/CAMの時代になればなるほど物事が見えなくなってきます、今が最後のチャンス化と勝手に思い込んでいますが、的外れでしょうか?

蛇足
前々から、70歳で引退と思いながら来年1月で71歳になります、今年いっぱいで引退になりますが質問等あれば早めにお願いします。
                                むら ただし